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雑草・雑写雑記 (7)
  ~ 名前の由来は平安時代の優雅な扇 「ヒメヒオウギ」~

 南アフリカ原産で観賞用として大正時代に日本に入ってきたとされ、繁殖力が旺盛で庭などから逸失して野生化しているのをよく見る。 園芸種とみなされているので、植物図鑑にはほとんど載っていない。 この名前の元になっている植物が「ヒオウギ」で、漢字では「檜扇」。 平安時代に殿上人など高貴な人が使っていた扇だ。 その名を一部に使っているのは、ほかに「ヒオウギアヤメ」「ヒメヒオウギズイセン」があるので一緒に紹介。

                                                                                                「ヒメヒオウギ」(アヤメ科)(撮影場所:世田谷・桜上水)

 
  ●草丈は15~20センチほど。カンカン照りのところより半日影を好むようだ。庭のあちこちに広がり、雑草化している。 【ヒメヒオウギ全体】  ●花は赤や白、ピンクがあり、いずれも花弁6枚のうち3枚の付け根部分が濃い紅色。【ヒメヒオウギ花】


 

  ●「ヒオウギ」ほどではないが、葉の広がり方が少し「檜扇」のようなので、「ヒメヒオウギ」の名に。直径5㎜ほどの球根があり多年生。 【ヒメヒオウギ葉・球根】   ●6月終わりころになると実をつける。熟すと先が3裂し、中にえんじ色をした艶やかな種子が3~7個入っている。 雨が降ると実を包む殻が閉じる。田島さんが「アカバナユウゲショウ」の実は雨が降ると開くと報告されていたが、こちらは逆。何故だ? 種を二晩水に漬けておいたが、外観的には変化なし。濡れると困る理由が思いつかない。どなたかご教示を!! 【ヒメヒオウギ実】

 
 
 ヒメヒオウギ実

 
 
 
 ●こちらがご本家の「ヒオウギ」(2014年9月、羽村市で撮影)。
「檜扇」のイメージ図と見比べてみると、葉の付き方が、開きかけの檜扇のように見える。
  「檜扇」のイメージ。 ヒノキの細く薄い板を糸でつないで作った扇。 これに美しい絵を描き、きれいな色の房を付けて使った。3月に飾るお雛様の女雛を見るとだいたいこれを持っている。

 
   
   ヒオウギアヤメ (2016年7月、長野・栂池自然園で撮影)。これも葉の付き方から命名されたのだろう。    いまを盛りと咲く ヒメヒオウギズイセン。南アフリカ原産。球根から何本も根を伸ばしその先に新しい球根をどんどんつけ繁殖力が旺盛。 佐賀県では県条例で栽培や移入を禁止している。

 
   
  ヒメヒオウギズイセンの一叢(20センチ×10センチ)を掘り起こしてみたら、50個くらいの球根がひしめき合い、根がお互いに絡み合った状態。それでも葉は元気元気。   園芸店では「姫緋扇水仙」という漢字を付けているところもある。単なる誤用か、「檜扇」としても分かる人が少ないとみて、緋色の花をつけるから「緋扇」にしてしまえとの確信犯なのか。



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