高尾山国有林巡視日誌(60)
 林野庁・東京神奈川森林管理署の森林保護員として、高尾山国有林とその周辺の森林パトロールを行っている宮入さんの巡視日誌「その60」です。

平成23102日(日) 天気:曇

 「太郎ブナ」とも「元禄ブナ」とも呼ばれる高尾山ナンバーワンのブナが、9月21日の台風15号で折れた。実際には昨年夏、枯れたのだが、2号路への落枝が心配されていた。それが倒れず、地上10mの部分で折れた。これからも自分の存在を示しつつ、他人に迷惑を掛けない・・・さすが太郎ブナだ。

平成23106(木) 天気:晴のち曇

 アサギマダラが高尾山に帰ってきた。このチョウは渡りをする。暑い夏には涼しい場所に移動し、冬には南の島まで飛んでいく。従って高尾山では春と秋に見ることが出来る。もっとも、幼虫で冬を高尾山で越冬する個体もいるので、全てが渡りをするのでは無いようだ。まだまだアサギマダラの生態はよく分からない。

平成23106(木) 天気:晴のち曇

 台風15号の被害で通行止めの道をチェックした際、完熟のマタタビの実を見つけた。サルナシと同じマタタビ科だが、切ってみると中は黄褐色。食べてみると薬臭いエグ味があるが、どこかで食べた味。しばらくして分かった。マンゴーに近い味だった。

平成231011日(火) 天気:晴のち曇

 ヌメリスギタケを見つけた。傘のささくれが特徴。ナメコと同じモエギタケ科なので美味しいキノコだ。(同じ科に猛毒のニガクリタケもあるので、安心はできないが・・・)少し心が揺れたが、多くの人に見てもらいたく、その場を離れた。10日後、同じ場所を通ったら、ささくれが取れ、ナメコと同じになっていた。こうなると、ちょっと判別が出来ない。

平成231011日(火) 天気:晴のち曇

 コシオガマは陽当りの良い場所を好むので、草が茂ると姿を消してしまう。去年はあまり見かけなかったが、今年は所々でその姿を見ることが出来た。この植物は自分で光合成もするが、イネ科の植物に寄生し、そこからも養分を吸い上げている「半寄生植物」。可愛い花なのだが、けっこうしたたかに生きている。

平成231021日(金) 天気:曇

 晩秋から初冬にかけて、道にツルウメモドキの実が落ちている。実際に木に生っている所を見たいが、場所が高い所なので、なかなか見る機会が無い。それを見ることが出来た。最初は何だか分からなかったが、たったひとつ弾けた実はツルウメモドキの実だった。定期的に草刈りをされ、木が盆栽のように矮小化され、そこに実を付けたのだと思う。ちょっと複雑だが、おかげで熟す前の若い実を見ることが出来た。最初はこんな実なんだ。


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