高尾山国有林巡視日誌(53)
 林野庁・東京神奈川森林管理署の森林保護員として、高尾山国有林とその周辺の森林パトロールを行っている宮入さんの巡視日誌「その53」です。

●平成2335日(土) 天気:晴

3月にしては澄んだ空気で、富士山がくっきり見えた。

ケーブルは点検整備で運休。それでも高尾山頂には多くのハイカー、観光客がいた。

●平成23315日(火) 天気:曇

 「東北関東大震災」から4日目。当たり前だが、ハイカーの姿は無い。多摩地域でもひどい揺れを感じた今回の大地震。さぞや高尾山でも被害が出ていると思って歩いたが、倒木も土砂崩れもほとんど見られなかった。

 山から人が消えても、春は進行中。春一番に咲くダンコウバイは、今が最盛期。やってくる春が人々の癒しになれば良いのだが・・・

●平成23321日(月・祝) 天気:雨

 林道でツノハシバミの花が咲いていた。垂れ下がっているのが雄花、枝の上の小さな赤い花が雌花だ。4年以上同じ場所を歩いていて、今まで気が付かなかった。実は上品なナッツの味で美味だ。森林事務所に切らないように言っておかねば。

●平成23321日(月・祝) 天気:雨

 春の高尾山ならどこでも見られるヨゴレネコノメ。花自体は小さく地味だが、全体で見ると特徴があり、面白い。だが、名前のせいかあまり人気が無い。・・・そういえば、私もここで紹介するのは初めてだ。心のどこかで差別していたかな・・・

●平成23327日(日) 天気:晴のち曇

 この日は私一人の巡視だったので、メインルートの健脚コース「高尾山〜陣場山」を歩く。一気に歩くのは30年ぶりだ。その中の小仏城山から小仏峠間の杉林は木漏れ日が美しい。太陽の角度の問題もあり、秋から冬が一番美しいが、春もなかなかの風情がある。

●平成23330日(水) 天気:晴一時雨

 アズマイチゲの開花から約2週間。ところが陽の光が当たらないと、この花は花びらを開かない。雨の日はもちろん、曇りの日も花を閉じ、うなだれている。

 この日、途中で雨が降ったが、すぐに回復したので何とか開いた状態の花を見ることが出来た。時期的にギリギリだった。


戻る