高尾山国有林巡視日誌(52)
 林野庁・東京神奈川森林管理署の森林保護員として、高尾山国有林とその周辺の森林パトロールを行っている宮入さんの巡視日誌「その52」です。

●平成23年2月3日(木)  天気:晴

 花の形も変わっているが、花が終わってからも面白い咲き殻を残すオオヒナノウスツボ。レース編みのクラフトの様で、何もない冬の巡視中にこういうものに出会うと嬉しい。

●平成23年2月6日(日)  天気:曇時々晴

 ケーブル「高尾山駅」の駅前広場はブナとイヌブナを高い位置で比較しながら観察できる、案内人にとってはありがたい場所だ。そのイヌブナの枝にヤママユガの繭が付いていた。森を歩いていると、時々落ちているこの繭に出会うことがあるが、枝に付いているのは初めて見た。葉をうまく利用して目立たないようにしている。いつも感心するが、生き残るための知恵が昔から遺伝子の中に伝えられているのだろう。

●平成23年2月6日(日)  天気:曇時々晴

 高尾林道の終点、大平園地が近くなると、目の前にスギ林が広がる。この日は、ちょっと息をのむ光景だった。一面赤黄色のスギの雄花。今年は量が多い。この花が一斉に飛散するかと思うと・・・。加藤さんがイヤな顔をしながら、坂を下っていった。

※2月26日、本格的な飛散が始まった。

●平成23年2月12日(土)  天気:曇のち雪

 この冬初めての本格的な積雪。霞台からの雪景色は、好きな風景の一つだ。昨年もこの風景を見た後、倒木処理に追われた。今年も覚悟を決めて出発し、高尾林道、大平林道と歩いたが、倒木が一本もない。それは良い事なのだが、少し肩すかしをされた感じだった。

●平成23年2月19日(土) 天気:曇時々晴

 キジョランは葉を萎れさせて冬越しをする。このまま枯れてしまいそうだが、春になると、何事も無かったかのようにまたしゃんとする所がかわいくない。
 そういえば(48)で掲載したキジョランの実を食べるウジ虫の正体が分かった。FITの梅田さんの努力と幅広い人脈の結果、分かった名前は「キジョランハマダラミバエ」。ふ〜ん、そうか、という感じだが、それからが大変。これは60年前に九州で発見されて以来、確認されていない「幻の昆虫」だという。専門家の間では大騒動。亜種か、変種か、別種かを最終的に確認作業中だという。そして、学会に公表するとの事。発見者の加藤さんと私は面白がっているだけだが・・・

●平成23年2月26日(土) 天気:晴

 ハナネコノメの開花状況を確かめに行った。1週間前にはまだ固い蕾だったが、今日はほころび始めていた。ただ開花には到っていない。う〜ん、残念。引き返そうとすると、加藤さんが指さした。足元に2輪。今年の開花第1号か。


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