高尾山国有林巡視日誌(48)
 林野庁・東京神奈川森林管理署の森林保護員として、高尾山国有林とその周辺の森林パトロールを行っている宮入さんの巡視日誌「その48」です。

●平成22103日(日) 天気:晴のち曇

 最近「山ガールファッション」といわれている服装の女性ハイカーが増えた。ミニスカートかショートパンツにタイツ(レギンスというらしい)。誰が流行らしたのかは分からないが、山が華やかになるのは悪いことではない。相棒の加藤さんがコース案内した中には、「このスタイルをしたくて山に来ています」という若い女性ハイカーもいたとか。オジさんとしては文句をつける筋合いでもないが、これから冬に向かうシーズン。ファッションも良いが、安全グッズ(防寒服、懐中電灯、等)も用意して下さい。命にかかわるからね。

※個人のプライバシー保護のため、写真を加工しています。

●平成22107日(木) 天気:曇時々晴

 加藤さんが一瞬「ウッ!」と唸った。キジョランの種の生育を確かめる為に実を割いたら、中にいたのは無数の幼虫。問題なのは毒性の強いキジョランを食草としている昆虫がアサギマダラ以外にいるのか、という事。写真をFITの昆虫専門家、梅田さんに送ったが、分からない、という。梅田さんが、「これは大学の昆虫学者、研究者レベルだ」という事で、東大の研究室に問い合わせたが、分からないという。ハエかハチの幼虫で、未記載種の可能性が高い、との事だった。とにかく幼虫を育てて、成虫にしなければ同定は難しい、との事だ。

5日後、同じ現場でキジョランの実を4個採取した内、3個に幼虫が入っていた。その実を梅田さんに届けたので、いずれ梅田さんからの報告が楽しみだ。

●平成22107日(木) 天気:曇時々晴

 八王子城山、209林班。4月25日に初めて入った時に、気になる木を見つけた。加藤さんが葉を持ち帰り調べたら、「ハルニレだ」との事。確かに樹肌は似ている。ただ、その後骨折してしまったので、この日まで現場に行くことが出来なかった。確かにハルニレだった。一度切られた経験があり、株の直径は約1m80p。しかし北国の木が何故ここにあるのだろう。この事を知り合いのボタニカルアーティスト内城葉子さんに話したら、「あそこ(八王子城山)は何があっても不思議じゃないから。」と、あっさりと答えられてしまった。北条氏照の時代に、色々な植物が持ち込まれた可能性があるという事らしい。

●平成221010日(日) 天気:曇のち晴

 最近「イモムシ ハンドブック」(文一総合出版)にハマっている。チョウやガの幼虫のオンパレード。今まで分からなかった謎の生命体(?)がウストビイラガの幼虫だったと分かった時は昔からの宿題がやっと終わった、という感じだった。

 今日、林道を歩いていた白い幼虫。過去にも何回か出会っているのだが、分からなかった。きっと、この本に載っているだろうと期待したが、載っていない。しかたなくネットで探し回った結果、アゲハモドキの幼虫だと分かった。これだけ特徴のある幼虫なのだから載せて欲しいなぁ。

●平成221019日(火) 天気:曇

 コナラの根元にナラタケが、びっしり大量に発生していた。今年の秋は急に涼しくなり、雨も降ったので色々なキノコにお目に掛かる。それと同時にキノコ中毒のニュースも連日報道されている。キノコは確信を持たない限り食べてはいけない。まして、それを販売するなど・・・とんでもない。

私がこのナラタケを初めて食べた時は、100%の自信が無く図鑑を横に置きながら食べた記憶がある。このキノコの特徴は、柄とそこに付く鍔(つば)。そこで目線を下げ、それが分かるように撮影したら、こんな写真になってしまった。

●平成221026日(火) 天気:曇

 雲が厚く、暗い一日だった。平成18年から3年続けられた高尾山南斜面の大規模間伐。その集材に使われたヘリコプターの基地(ヘリポート)の跡が大垂水林道にある。「幽霊話」で、関係者間では話題になった場所でもある。あれから2年。広場はエノコログサに覆い尽くされていた。そんな枯れたエノコログサの花穂にベニシジミが止まっていた。寒さで動けないのだろうか。近づいてもジッとしていた。


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