高尾山国有林巡視日誌(46)
 林野庁・東京神奈川森林管理署の森林保護員として、高尾山国有林とその周辺の森林パトロールを行っている宮入さんの巡視日誌「その46」です。

●平成2287日(土) 天気:晴時々曇

 骨折して1ヶ月が過ぎた。ギブスは外れたが「労災」を適用しているので、完治するまで現場復帰は許されない。とはいえギブスで4週間固定していた為、筋や筋肉が固まっていて歩くと突っ張る。「子ども樹木博士」のガイドブックの写真も頼まれていたので、リハビリを兼ねて高尾山を歩くことにした。

高尾本山を中心にゆっくり歩き、最後に車で日影沢に入った。日影沢林道を行くと、道の真ん中にウサギが座り込んでいる。しかし何か変だ。車のライトが当たっても逃げない。私が車を下りても逃げない。ここで思い当たった。これは誰かが飼いウサギを捨てたのだ。今の時期は良いが飼いウサギが冬を越せる訳がない。山に捨てれば何とかなると思ったのだろうか。この無責任さに腹が立つと同時に、このウサギの将来を考えると悲しい気分になった。

※このウサギは後日「高尾森林センター」の職員によって捕獲(保護)された。全部で4匹もいたそうだ。

●平成22813日(金) 天気:晴のち曇

 今日もリハビリと観察会の下見を兼ねて高尾山を歩く。タマアジサイが咲きだしていた。そこにやって来たアカハナカミキリ。共に珍しくもない花と昆虫だが、久しぶりに会うと、何だか懐かしい。

●平成22813日(金) 天気:晴のち曇

 高尾林道にあったフシグロセンノウがスギの伐採で陽当たりが良くなり過ぎて姿を消してから2年。それ以来、高尾山域でこの花に出会うことはなかった。それが今日出会った。昼食を食べていて、正面の斜面を見上げると朱色の何かが見えた。キツネノカミソリかと思ったが、よく見るとフシグロセンノウだ。足にダメージを与えないよう慎重に斜面を登り、対面した。まだ咲いたばかりの傷の無いきれいな花だった。

※この日稲荷山コースで、私のこのページを見ているというハイカーに出会った。突然のことで何だか照れくさく「ありがとうございます」としか言えなかった。あの時のハイカーさん、言葉少なでごめんなさい。でも、落ち込んでいた時だったので、本当に嬉しかったです。

●平成22822日(日) 天気:晴

 植物観察会で小下沢〜堂所山〜底沢峠〜陣馬高原下を歩く。この日、初めての蛾に出会った。黒と黄色が美しい。帰宅後調べたら、子ども用の図鑑に載っていた。キンモンガ。余りに簡単に分かってしまったので拍子抜けしたが、これだけ美しい蛾だ。載っているのも当たり前か。

●平成22822日(日) 天気:晴

 底沢峠からの下り道。オトコエシの花に来ていたのは、ヒロオビヒゲナガガ。これも初めて会う蛾だ。これも検索はそれほど難しくは無かった。(31)に載せたクロハネシロヒゲナガガに雰囲気が似ていたので、図鑑で「ヒゲナガガ科」を調べたら、簡単に見つけることが出来た。しかし確認のためインターネットで調べたら、1枚しか写真が出て来なかった。もしかしたら珍しい蛾なのかも知れない。どうなのだろう。

平成22831日(月) 天気:晴

 都心では連日34℃を越える日が続くが、小仏城山では秋の雰囲気が漂い始めた。吹いて来る風の中に時折秋風を感じる。秋の花も咲きだした。今日出会ったのはフクシマシャジン。ツリガネニンジンに似ているが、萼の幅が少し広い。今年は林道の草刈りの為あまり花を見られないのが残念だ。

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