高尾山国有林巡視日誌(41)
 林野庁・東京神奈川森林管理署の森林保護員として、高尾山国有林とその周辺の森林パトロールを行っている宮入さんの巡視日誌「その41」です。

●平成2232日(火) 天気:霧

 信じられないほどの濃霧の中を行く。視界は30mも無いのではないか。少し離れると前を行く加藤さんが霧の中に消えていく。光が入り込まない森は暗く不気味だ。冥界を歩いているような・・・最近、こんな日が多い。

●平成22316日(火) 天気:曇一時晴

 八王子城山の山頂の展望台に、銅板に周辺の景色を刻んだ展望図がある。図柄が古くさく、描かれている樹木が見当たらない。製作年を見ると「昭和三十一年」とあった。今から54年前。私が小学1年生の時だ。さすが銅は保ちが良い。今ではあまり聞かれない地名もあり、八王子城山に登る機会があったら、ぜひ見て欲しい。(わざわざ行って見るほどの物でも無いが・・・)

●平成22316日(火) 天気:曇一時晴

 小下沢のハナネコノメが満開状態。年々開花が早くなっている気がする。春一番に咲くこの花は人気者だ。白い花に雄しべの赤い葯がアクセントになって美しい。ただ、この葯がすぐ落ちてしまう。花保ちは良く、けっこう長く咲いているのだが、旬は短い。それも人気の一因だろうか。

●平成22322日(月) 天気:晴

 今年は雪が多かった。特に39日の雪は水分の多い重い雪だったようで、直径1mほどのモミが2本倒れた。(森の奥ではまだあるかも知れない)4号路では吊り橋の橋脚を傾かせ、6号路では根こそぎ倒れたモミが登山道を崩壊させた。なかなか現場に行く機会が無かったが、今日確認した。状況は変わっていないようで、太く長い幹が下の沢にまで達していた。のぞき込むと、そこは先月末にヤマアカガエルが産卵していた場所だ。卵やオタマジャクシに悪影響が無ければ良いが・・・

●平成22323日(火) 天気:晴時々曇

 以前、加藤さんから教わったキバナノアマナの自生地に行った。開花は4月と思いこんでいたので、「葉でも出ているかな」と下見のつもりで行ったら、なんと咲いていた。

 申し訳ないが、この日の巡視は早めに切り上げ、途中出会った森林センターの仲間と一緒に改めて見に行った。写真では見ているのだが、実際に見るのは初めてだ。いつも見ているアマナと違い、1本の茎から何本もの花茎が散形状に伸びている。やはり実際に見ないと、こういう所は分からないのだな、と思った。

●平成22年3月23日(火) 天気:晴時々曇

 キバナノアマナと一緒に咲いていたのはヤマエンゴサク。ただ、葉の形が図鑑と違う。ヤマエンゴサクは葉の変異が多く、ここのものは葉に切れ込みが無く丸い。その為だろうか。優しい雰囲気の写真が撮れた。


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