種子(タネ)アラカルト
●シラン(左)とネジバナ(右)高価な花の代名詞のようなランですが、身近で見かけるこの2種類もれっきとしたランの仲間です。ランの種子はホコリのように細かく、猛烈に数が多いのが特徴です。種子は栄養の貯えもないので自力では発芽できずカビの仲間であるラン菌の助けを借ります。
●ミツバアケビ(アケビ科)森の手入れの時に熟した実を採って食べた際、吐き出した種子をティッシュペーパーに包んで持ち帰ったものです。良く見ると運んでくれる蟻へのお礼のエライオソーム(種枕)が付いています。 ●ミツバウツギ(ミツバウツギ科)果実は、先が二股に割れた平たい風船のような変わった形をしています。良く熟れた実を振って見たらたまごのような形の光沢のある種子が出てきました。これは誰が運ぶのでしょうか。
●キョウチクトウ(キョウチクトウ科)公園や道路脇など身近で見かける樹木ですが、果実を見かけるのはまれです。線形をしており熟すと割れ、中には冠毛を付けた種子がたくさん入っています。風散布の木です。 ●キリ(ゴマノハグサ科)タンスでお馴染みの中国の木ですが、各地で野生化しています。とんがり帽子の様な果実をたくさん付け熟すと二つに割れます。中に銀色のきれいな翼を回りに付けた種子がびっしり入っています。
●ケンポナシ(クロウメモドキ科)甘くて美味しい果実の軸だけに興味が行きがちですが、種子(正確には核)は平たく円形で光沢があります。果実を食べた動物や鳥の糞と共に散布されるのでしょう。 ●ハゼノキ(ウルシ科)果実は地味ですが、皮には白いロウ物質があります。これからローソクを作るため栽培してきましたが、鳥達も大好きです。糞と共に種子(これも核)が散布されます。
●エンジュ(マメ科)大きなケヤキの下にこのマメがたくさん落ちていました。休んでいる鳥が落とした物です。数珠のようにくびれた肉質の変わった果実をつけますが、鳥には中の豆より外の皮の方が美味しいようです。 ●マンリョウ(ヤブコウジ科)お目出度いこの木の実生によく出会います。背の低い木に鳥は食べに行く時怖くはないのでしょうか。種子(核)はまん丸で頭が尖り、縦に薄い線が一杯入ってボールのようです。

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 自分では動けない植物は、種子という生命を詰めたカプセルを送り出します。次の世代を出来る限り広範囲に旅立たせるため、そこには巧みな驚くような仕掛けを持っています。植物学者多田多恵子氏の表現を借りるとタネは「空間と時間を旅するマイクロカプセル」です。そうした種や実の不思議さ、面白さを学校のプログラムで紹介する機会があり、ここ何年か実物を集めたり、写真を撮りだめてきました。そんな中の何点かを整理して紹介します。