高尾山国有林巡視日誌(35)
 林野庁・東京神奈川森林管理署の森林保護員として、高尾山国有林とその周辺の森林パトロールを行っている宮入さんの巡視日誌「その35」です。

●平成2195日(土) 天気:晴

 93日付の朝日新聞に《高尾山「元禄ブナ」危機》という記事が載った。この高尾山NO.1のブナ(ブナ太郎とか元禄ブナと呼ばれている。)が元気が無くなっているのは春頃から気が付いていた。早速行ってみたが、幹にびっしりとヒラタケが生えていた。ブナの寿命は200300年といわれている。このブナも寿命が尽きかかっているのだろう。ただ、高尾山で胸高直径1mを越す巨木のブナは、この1本だけ。居なくなるのは残念な気がする。

●平成2198日(火) 天気:曇のち晴

 まだ熟していない栗のイガが落ちていた。食べたのはネズミだろうか、リスだろうか。どちらにしても中の実まで行き着くのに苦労しただろう。イガが割れて中身がこぼれるまで待っていれない現実が自然界にはあるのだろう。

●平成21912日(土) 天気:曇時々雨

 美しい蛾を見つけた。オオベニヘリコケガ。地衣類を食べて生活しているという。ただ高尾山では見られる期間は短く、10日ほどで姿が見えなくなった。

●平成21912日(土) 天気:曇時々雨

 高尾山南面のケヤキがひどいことになっている。葉は葉脈を残してほとんど食べられている。犯人は、この幼虫。梅田さんによると、「ヒメクロイラガ」だという。昨年は美しかったケヤキの黄葉が今年は見られそうにはない。

●平成21915日(火) 天気:曇

 ツルギキョウの花が咲いた。ここは昨年の秋、実を見つけ、林道の草刈り作業の時もテープを張って保護した場所だ。それだけに感慨深い。

●平成21929日(火) 天気:曇一時雨

 加藤さんが私の肩をたたきながら、嬉しそうに指さした。そこに咲いていたのは白花のツリフネソウ。「お宝、発見!」という感じだ。どんな花も白花は現れるというが、ツリフネソウは初めて。ただツリフネソウは1年草。来年は見られないだろうな。


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