高尾山国有林巡視日誌(34)
 林野庁・東京神奈川森林管理署の森林保護員として、高尾山国有林とその周辺の森林パトロールを行っている宮入さんの巡視日誌「その34」です

●平成2184日(火) 天気:曇一時晴

 スギの落ち葉に1p程のキノコが生えていた。普通オチバタケの仲間は柄がヒョロとしているキノコが多いが、これはしっかりした(?)キノコの形をしていた。森の中で、こんなキノコに出会うと、何故か愛おしい気持ちになる。

●平成2188日(土) 天気:曇

 この時期は菌類に侵される昆虫が多い。地面からホウキタケのようなキノコの下を掘ると、現れるのはセミの幼虫。いわゆる「冬虫夏草」だ。種類も多いが、この日見つけたのはツクツクホウシタケと思われる。

 そこにハイカーがやって来たので、冬虫夏草の解説をした。

「ヘェ〜、これが冬には(昆虫として)動き出すのですか。」・・・まさか!

●平成2188日(土) 天気:曇

 もみじ台南面巻道で、1p程の変わった昆虫を見つけた。取りあえず撮影して家に帰り、図鑑で調べたら、名前はヒメシロコブゾウムシ。小さすぎて表情は分からなかったが、アップで見ると、けっこう美人系だった。

●平成21815日(土) 天気:曇のち晴

 滝ノ沢林道終点。ボントクタデの葉にカメムシの幼虫が集まっていた。カメムシは脱皮ごとに姿、形が変わるので同定が難しい。これだけの数が集まっているのだから一齢幼虫だと思ったが、アカスジキンカメムシの3〜4齢虫だとの事。
アカスジキンカメムシはニシキカメムシと並ぶ一番美しいカメムシだ。だが未だに成虫に出会った事がない。これだけ幼虫がいるのだから、きっとこの山中のどこかにいるのだろう。出会える日が楽しみだ。

●平成21822日(土) 天気:晴時々曇

 突然、一丁平北斜面にキツネノカミソリの群落が現れた。どちらかというと里の植物。高尾山では大垂水峠で多く見られる。昨年秋に草刈りがされた場所なので、キツネノカミソリにとって今年は良い条件だったのかも知れない。さて、来年はどうなるか・・・

●平成21829日(土) 天気:晴のち曇

 これを見ただけでは、何が起こっているのか良く分からないと思う。

 クモの巣に掛かった蛾をベッコウシリアゲの雌が食べに来ていた。(かなり図々しい。クモは逃げてしまった。)そこにベッコウシリアゲの雄がやって来て、交尾を始めた。雌は気にせず食事中。(何も感じないのだろうか?)それにクモの巣にも掛からない。

 撮影のためカメラを近づけたら、雌が気づき突然飛んでいってしまった。慌てた雄はクモの巣に掛かってしまい、バタバタしていたが、なんとか脱出出来た。 晩夏の、ちょっとした出来事。


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