早池峰山は岩手県のほぼ中央に位置する標高1917m、「花の百名山」として有名です。また、蛇紋岩の岩塊が二合目あたりから上をおおっているため、特異な山容を持っています。

撮影:平成21年(2009721日)
●岩塊斜面

シャトルバスの停留所「小田越」から徒歩で登り始めてすぐの一合目付近から上は森林限界を越えた蛇紋岩の岩塊がおおう斜面になっています。

 写真の白色に見えるのが岩、緑色に見えるのは主にハイマツです。
●森林限界

 この付近の気候条件では、「森林限界の高度は2000m前後になる」はずなのに、早池峰山の森林限界(約1300m)が低い原因は、蛇紋岩の岩塊斜面が樹林の上昇を食い止めているからだそうです。写真では白色が岩塊、緑色が樹林帯で、後ろの山は1645mの薬師岳です。こちらは花崗岩主体の山で、頂上付近以外は緑の樹林におおわれています。
●「天狗の滑り台」

 コース中、最大の難所「天狗の滑り岩」。登り用と下り用の二本の鉄バシゴが垂直で巨大な岩にかかっています。

 この様な巨大な岩壁が氷河期に凍結破砕作用によって大きく割られ、それが移動して岩塊斜面ができたと考えられています。
▲ハヤチネウスユキソウ
Leontopodium L.hayachinense
キク科ウスユキソウ属

「蛇紋岩植物」と呼ばれる植物の一つです。全体に白い綿毛をかぶり「早池峰の女神」といわれる気品のある花です。草丈約30cmと大型なので、登山道近くの岩場にも咲くこの花は、特に目立ちました。
▲ナンブトウウチソウ
Sanguisorba obtuse
バラ科ワレモコウ属


 この花も「蛇紋岩植物」と呼ばれる植物の一つです。葉がワレモコウに似ています。「名のトウウチとは、唐打ちで、花穂を中国の打ちひもに見立てたという」。


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早池峰山(岩塊斜面森林限界固有植物)

参考図書:
●『山歩きの自然学』小泉武栄、1998、且Rと渓谷社
▲『高山に咲く花』清水建美、2002、且Rと渓谷社
▲『早池峰連嶺の花』土井信夫、1998、文化出版局