花のアップをよく観てみよう

1000m2000mの山々では、今の時期、いろいろな花が咲き始めて、にぎやかな季節を迎えています。名前の確認で終わらず、花をじっくりのぞいてみてください。どうしてこんな形になったのか。虫媒花の花々たち、どんな虫がどんな風に花粉を運んでもらうのか、考えをめぐらせてみてはいかがでしょうか。


ベニバナイチヤクソウ(イチヤクソウ科)

蜜は出さず、花粉のみだそうです。ぶらさがりが得意なハナバチが訪花するのでしょう。

雄しべと比べてずいぶん長い雌しべは、自家受粉を避けるかのようです。

シロバナエンレイソウ(ユリ科)

3枚の緑色の外花被片、3枚の内側の紫色の内花被片、雄しべ6本が雌しべの3つの柱頭を囲んでいます。同花受粉がほとんどだそうです。

クルマバツクバネソウ(ユリ科)

4枚の外花被片、4枚の内花被片(写真ではわかりにくいですが、糸のように細い)、萼の長く伸びた雄しべ8本、中央に黒い雌しべ。さて、どのように受粉するのでしょう。

アイズシモツケ(バラ科)とコマルハナバチ

様々なハチやアブが花粉まみれになって訪れていました。昆虫たちは長い雄しべに触れ、次の花に花粉を運ぶのでしょう。小さな花がたくさん集まって遠くからでもよく目立ちます。

ホテイラン(ラン科)

ランは、昆虫との共進化が進んだ植物です。布袋様のあごヒゲのように見える下の2つの距の先に蜜がたまっていて、訪れた昆虫は、毛の生えた唇弁に止まり、距に向かいます。この入り口の大きさは、マルハナバチがちょうどいい大きさに思えます。その過程で、ずい柱にある葯の固まりがハチの体にぴたっとくっつき、次の花の柱頭に運ばれるのでしょう。

ツクモグサ(キンポウゲ科)

まだ花が少ないこの季節の高山帯で、毛むくじゃらの花被片に覆われたキンポウゲ科のツクモグサ。よく観ると、雌性期と雄性期があるようです。フクジュソウのように太陽の熱をあつめるパラボラのような花。暖をもとめて訪れる昆虫を呼び込んでいます。

コヨウラクツツジ(ツツジ科)

ちいさなつぼ型をしたツツジ科の花には、ぶらさがりが得意なハナバチの仲間がやってきます。頭だけ花につっこんで、顔にかかった花粉を、次に訪れた花の雌しべにくっつけながら花から花へと訪れます。

ヤマキマダラヒカゲ

この複雑な模様は何のためでしょうか。確かに、落ち葉や木の幹に紛れて保護色になっているようです。花には来ないで、地面の水分をさかんに吸っていました。


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