南九州照葉樹林を歩く
 葉が緑色に茂る照葉樹林を見ようと、お正月に鹿児島県の山々(開聞岳、高隈山(山麓)、甫与志岳)を歩きました。冬でもつやつやと光る葉をつけた木々には、生命力を感じます。南九州は南房総や、関東南部の沿岸域との共通種も多く、植物の分布は興味深いです。さまざまな寄生植物、着生植物、そしてシダの仲間の宝庫でもあります。

●照葉樹林の森

もこもこした森が印象的です。タブノキ、スダジイ、イスノキなどで構成される常緑樹の森です。この写真は高隈山の山麓、猿ヶ城渓谷。
●シダ天国

シダは暖地にいくほど種類も多くなりますが、それが実感できます。林床には、ササの代わりにカナワラビ類が群生し、樹皮にはマメヅタやノキシノブがよく見られます。写真はマメヅタ。
●タイミンタチバナ(ヤブコウジ科)(花と実)

赤いつぼみと、黒い実の両方が見られます。昔は樹皮の成分が家畜の駆虫薬に使われたそうです。
ハドノキ(イラクサ科)

白いつぶつぶは、花のあとです。白い肉質化した花被が種子をおおっています。

ミヤマシキミ(ミカン科)

実付きがとてもよく、緑の葉に真っ赤な実があちこちでよく見られます。ほかにハクサンボク、アオキ、ヤブコウジもきれいな赤い実がついていました。

●寄生植物1:ツチトリモチ(ツチトリモチ科)

別名ヤマボウズ。一見、きのこのようですが、被子植物です。雌雄異株ですが、雄株は未発見。赤く見えるのは小混体という組織で、花の本体はその間に埋まっていて外からは見えません。ハイノキ科の根に寄生します。
寄生植物2ヤッコソウ(ヤッコソウ科)

これも花の後です。雌雄同株で、雄性期のあと、雌性期になるそうです。スダジイの根に寄生します。
寄生植物3ヒノキバヤドリギ(ヤドリギ科)

常緑樹の枝に寄生します。枝がヒノキの葉のように見えるため、このような名前になったそうです。写真はヒサカキに付いたものです。

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