早春にマンサクやダンコウバイなどと共に黄色い花を咲かせるアブラチャンという木があります。名前に「油」という字が入っているくらいですから、図鑑等によると「果実や樹皮の油は灯火用にした」とあります。この果実から油を搾ってみようと小島圭二さんがチャレンジし、見事に採油しました。以下そのレポートです。

アブラチャンの油搾り

種の皮を取り除く【写真1】
アブラチャンの油の搾り方は、ツバキ油を参考にしました。手順は以下のとおりです。

@ アブラチャンの果実の採取(小さいレジ袋1杯)
A 果実の皮を除去、種子を取り出す
B 天日干し(今回は5日)
C 軽く煎る
D 種子の皮の除去(写真1)
E 細かく破砕(写真2)
F 布の袋に入れて蒸す
G 搾り器に入れて搾る(写真3)
H 採油(40cc)



@の実の採取は、果実の部分が乾燥し、茶色くなり割れ始 めているものが良いと思われます。
Aの作業では、青々したものは爪の中に果実のアクが入り込み数日取れません。
B天気の良い日に、新聞紙に広げて干します。
C乾燥した種子を少し焦げ目が付くまで煎ります。
D種子の皮を割り、除去します。
E金槌で細かく砕きます。
F布袋(Gの絞り器に合わせた形状)に入れて蒸します。
G搾り器は、空き缶の上下を切り取り、円柱部分に内側から穴を空けます。
その中に蒸し器から取り出した布袋を入れ、上下に大きな座金をセットして、
丈夫なクランプで挟みました。クランプのネジをゆっくり廻して搾ります。
Dの細かく砕くのは、搾る時に全体に搾れるようにするためだと思われます。
Fの蒸しも胚乳の部分を柔らかくし、搾りやすくするためだと思われます。
また、油の粘性を低くし、流れだし易くする効果もあると思われます。袋に入れて搾るのは、日本酒を搾る方法を参考にしました。


細かく砕く【写真2】

手作りの空き缶搾り機【写真3】
搾り器の円柱部分の内側からの孔開けは、カスガイを使用しました。
クランプで搾っていると、空缶搾り器が傾いてしまい、圧を掛けるのに苦労しました。
缶の傾きを直すのに手で修正したため空き缶の外側に出た穴のバリで大分手を切りました。

アブラチャン油 約40cc
最終的には40ccくらい採取できました。
搾り器を工夫すれば、もう少し搾れると思います。搾った油は、ピーナッツバーターのような香りです。
ある資料には、臭いが悪く食用には適さないと書かれていましたが、そんなことはありません。舐めた感じもゴマ油のような感じです。この香りは、煎った効果によるものかもしれません。
この方法を利用すると、ピーナッツやドングリからも油が搾れるような気がします。
灯火の芯は、タコ糸を使用しました。意外と明るく、ダッシュ村でやっていたエゴマのようにススも出ず、優れた灯火用の油だったのかもしれません。
しかし、芯の選択を誤ると、芯が燃えて短くなり、数分毎に芯を出すことになります。透油性(?)のよい素材が必要です。芯を油に浸けて直ぐに火を着けましたので、浸す時間が短かったのかもしれません。昔はヤマブキの随を使っていたと教えてくれた方がいますので、今度試してみます。
油の消費量は、正確に計った訳ではありませんが、15分で1ccでくらいです。
思ったより、減りが早い?
アブラチャン(クスノキ科クロモジ属)

早春に、マンサク、ダンコウバイ、クロモジ、キブシなどとともに黄色い花を咲かせる。山づくりに取り組んでいる奥多摩の鳩ノ巣フィールドの皆伐跡地にはとても多い。香りが強いためか、シカの食害にも今のところそれほどあわない。
アブラチャンの果実

まん丸で直径1.5cmほど。割ると真っ白でさわやかな柑橘系の香りがする。秋には黄褐色に熟し、乾燥すると不規則に割れ、丸い赤褐色の種子を1個出す。これを搾った。

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