高尾山国有林巡視日誌(19)
 林野庁・東京神奈川森林管理署の森林保護員として、高尾山国有林とその周辺の森林パトロールを行っている宮入さんの巡視日誌「その19」です。

●平成20427日(日) 天気:曇

 ミミガタテンナンショウ(一般的にはマムシ草の方が通りがよい)の仲間は、若い時はオスだが成熟するとメスに性転換する。オスの花の下部には小さな穴があり、花粉を付けた小さな羽虫がそこから外に出られるようになっている。しかしメスの花には穴が無く、羽虫を閉じこめて受粉させる、という。本当かどうかメスの花を覗いてみた。確かに小さな虫の死骸が3匹。・・・けっこう恐い話である。

●平成20429日(火) 天気:晴時々曇

 2年ぶりにタチガシワが姿を現した。一昨年の間伐で環境が変わったためか、昨年は姿を現さなかった。少しくらい状況が悪くても頑張ろうと思ったのか。地味な花で余り評判にもならないが、高尾山では珍しい花だ。

●平成2051日(木) 天気:晴のち曇

 小仏城山から大平林道に向かう途中で出会ったハイカーが「先程ヤマシャクヤクを教えてもらいました」と言った。エーッ!そんな訳があるはずはない。ヤマシャクヤクといえば環境省の絶滅危惧種。そんな簡単に見られる花ではない。図鑑を見せて確認したら、間違いない、とのこと。急遽予定を変更して現場に向かった。

 メインルートから、わずか10メートルほどの所に咲いていた。鳥が種を運んだのだろう。出来れば、この株の種がまた鳥に運ばれ、数年後には高尾山のあちらこちらでヤマシャクヤクが見られるようになれば・・・夢かな。

●平成2051日(木) 天気:晴のち曇

 富士見台の斜面の枝に、羽化したばかりのオオミズアオが止まっていた。普段は背中からしか見せてもらえないが、腹側から見ることが出来た。・・・かなりのメタボくん、だった。

●平成2055日(月・祝日) 天気:曇

 この日は「こどもの日」。小学生連れの家族が多く、また外国人も多かった。初めての人が多く、道迷いの対応に追われる。 ただ、この日は一日中霧が漂っていた。霧の中の新緑の木々。海外からの観光客には神秘的な高尾山を味わってもらえたと思う。

平成20515日()  天気:

 雨で寒い日が続いていたが、この日は久しぶりの晴。昆虫もやっと動き出した。 大洞山のベンチには陽を求めて多くのハエが集まり、身体を温めていた。


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