高尾山国有林巡視日誌(18)
 林野庁・東京神奈川森林管理署の森林保護員として、高尾山国有林とその周辺の森林パトロールを行っている宮入さんの巡視日誌「その18」です。

平成2041日() 天気:快晴

 滝ノ沢林道から板当林道に下る尾根で見慣れない石漂を見つけた。「空図」と刻まれていた。平塚の森林管理署に問い合わせたら、「空図とは空中図根点の略語で空中写真を撮るときの基準点のことです。この地点が空から判るように工夫し撮影します。」との回答があった。なるほど・・・森の中には、いろいろな暗号(?)が隠されている。

●平成2043日(木) 天気:晴のち曇一時小雨

 カントウミヤマカタバミが咲いた。ここは景観伐採(見晴らしを良くするための伐採)により、日当たりが良くなった場所だ。ハイカーからの評判は良いのだが、林内に生きるこの花にとっては住みづらくなってしまった。今年は何とか姿を現したが、来年の春はどうだろうか。

●平成2048日(火) 天気:雨

 高尾山域には「園地」と呼ばれる場所が何ヶ所かある。そういう場所には高尾山の植生と関係無い樹木が植えられていることが多い。昔、都市公園と同じ感覚で植栽した時期があったのだろう。

もみじ台下の富士見台の広場には、フウが多数植えられている。そしてコブシとエドヒガン(桜)も・・・。ただ、そうはいっても花が咲けば美しい。東屋越しに見た景色は春爛漫だった。

●平成20412日(土) 天気:曇

 日影沢林道の水溜まりで、ヒキガエルの「蛙合戦」が行われていた。一匹の雌に、数匹の雄が絡みつく。何かグロテスクな塊が動いているような感じだ。ちょうどその時やって来たのがFITの観察会下見グループ。動物に詳しい武部さんによると、濃い茶色のヒキガエルが雌である可能性が高いとのこと。

 十数人の人間に見られていると、さすがに集中出来ないのか、いつの間にか塊は分散してしまった。

●平成20415日(火) 天気:晴

 スミレの宝庫、高尾山。エイザンスミレ、ケマルバスミレ・・・この日だけでも8種類のスミレに出会えた。その中で一番色が濃いのが、このアカネスミレ。花の中に毛が密生しているのが特徴で、あまり群生しないでポツリポツリと咲いていることが多い。

●平成20427日(日) 天気:曇

 南高尾の梅の木林道の入り口付近にあるお地蔵さん。そこから南高尾山稜の尾根に登る道の途中に不思議なコンクリートの建造物がある。正面には「〒」マークと電報マーク。以前から何の施設だと思っていたが、加藤さんが土地の古老から聞いてきた。

 これは電話の地中ケーブルの中継施設。今は使われていないが、横浜まで続いているという。戦前は、そこから海底ケーブルで満州まで繋がっていたという。 高尾には、こうした歴史的建造物も残っている。


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