高尾山国有林巡視日誌(15)
 林野庁・東京神奈川森林管理署の森林保護員として、高尾山国有林とその周辺の森林パトロールを行っている宮入さんの巡視日誌「その15」です。

●平成19年12月31日(月)天気:晴

 大晦日の高尾山。薬王院も高尾山頂も思いの外、人姿は少なかった。これから数時間後には多くの参拝客で埋め尽くされる。嵐の前の静けさか。

 この日は一丁平から大垂水峠に下り、大垂水林道を歩く。枯れ枝にクスサン(楠蚕)の繭が付いていた。その形からスカシダワラ(透かし俵)と呼ばれる。確かにこれだと他のヤママユガの仲間の繭より分からず、野鳥から襲われにくい。ただ、クスサンは秋に羽化するという。繭の中にはまだ蛹が残っていた。生きているのだろうか。それとも、この状態で冬を越すことが出来るのだろうか。

平成20年1月2日(水)天気:快晴

 ハイカーにとって南高尾から高尾山に抜けるメインルートの大垂水歩道が通行止めになって、約半年が経つ。ハイカーから「いつになったら通れるのか」という質問も多いので、確認のため歩いてみた。道はまだ伐採された木の枝に被われ、一般ハイカーが歩ける状況ではなかった。・・・そういえば作年の正月も、こんな事をしていたような気がする。

※1月13日に確認したら、伐採枝の整理は全て終わっていて、通行可能の状態になっていた。正式な通行解除は2月1日。

●平成20年1月19日(土) 天気:曇のち晴

 今年のシモバシラの出来は良くなかった。年末、年始に雨が降り、1月17日には雪が積もり、一番の観察場所の一丁平では結局良いシモバシラは見られずに終わった。だが今日、森の中では新たなシモバシラが出来始めていた。昨今の冷え込みで、温存(?)されていたシモバシラが氷花を作った。その一つに光が射し込み、暗い森の中に小さなランプが灯った。

●平成20年1月27日(日)天気:快晴

13:28 大平園地、到着。ここから高尾林道を行く。残雪に野ウサギの足跡が残っていた。特徴のあるY字(あるいはT字)形なので分かったが、他の足跡は降雪から数日経っているため、よく分からなかったが、タヌキ、テン、イノシシなども通っているのだろう。この道は夜になると野生動物の繁華街になるのかも知れない。

●平成20年1月29日(火)天気:曇一時雪

 薬王院から高尾山頂に向かう巻道で、見慣れない鳥の集団がエサをついばんでいた。ソウシチョウだ。日本国内では約550種の野鳥が確認されているが、図鑑を見ても載っていない。この鳥は中国南部からヒマラヤにかけて生息しているが、日本にいるのはペットとして飼われていたものが逃げ出し、各地で繁殖しているもの。こういう鳥は野鳥とは言わないそうだ。皮肉なことに原産地では乱獲のため個体数が減っているという。

 きれいな鳥なのだが、私のコンパクトデジカメは接写に強いが、望遠は解像度が悪い。この程度しか撮影出来ないのが、ちょっと悔しい。

平成201月31日()天気:

13:28 堂所山、到着。ここから関場峠に向かう。森や林の中では積もった雪はゆっくりと溶けていく。雑木林の残雪。こんな風景も趣がある。


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