高尾山国有林巡視日誌(13)

 林野庁・東京神奈川森林管理署の森林保護員として、高尾山国有林とその周辺の森林パトロールを行っている宮入さんの巡視日誌「その13」です。


平成19年11月3日(土)天気:曇のち晴

9:50 一丁平園地、到着。登山道脇の伐採は始まっていた。現場の作業員と話し合い、道際の伐採の時は、ハイカーを一時的に通行止めにする、という事でお互い了承し、配置に付く。ただ、この日はハイカーの数は非常に多く、木の伐採が珍しい様で、なかなか思うように動いてくれず、安全確保が難しかった。ハイカーからは、自然環境論、伐採木の運搬方法、木材の市場価格、景観論、等、多くの質問を受け、出来る限り質問に答え、解説した。皆、納得してくれたので、一安心。

●平成19年11月13日(火)天気:晴

8:50 ヘリコプターによる集材作業、開始。午前、午後を通してハイカーへの、ヘリ集材の解説、それに伴う道案内に追われる。ヘリコプターは長いワイヤーを吊し、森の上から木材を引き上げるのだが、ハイカーから見るとヘリコプターが、森の中まで降下するように見えるらしい。パイロットの技術に感心する声が多かった。

●平成19年11月20日(火)天気:曇のち晴

11:22 富士見台、到着。高尾山域には2箇所の「富士見台」という場所がある。一つは高尾山のメインルート「もみじ台」の下にある「富士見台」。ここは木立が生長しすぎて富士山を見ることが出来ない。もう一つは北高尾山稜、八王子城山から登ってきた所にある「富士見台」。正面に小仏城山が見え、その向こうに富士山が見える筈なのだが、昨年8月から巡視を始めて一度も富士山を見ることが出来なかった。ここを通るのがいつも午後で逆光、ということも原因かも知れない。それが今日、初めてここから富士山を見ることが出来た。やっと出会えた。

●平成19年11月20日(火)天気:曇のち晴

冬になると高尾山のあちらこちらで、キジョラン(鬼女蘭)の綿毛が漂う。キジョランはつる性の植物で、アサギマダラの幼虫の食草としても知られている。ただ、実を見たくても絡みついた木の高いところに生っていて、なかなか近くで見ることは出来ない。それがこの日、目の前に実がぶら下がっていて、綿毛の種が飛び出す状態を見ることが出来た。今日は幸運な出会いが2回もあった。

●平成19年11月23日(金・祝日)天気:快晴

10:05 一丁平に到着。一帯は景観伐採のため眺望が良くなった。180度の展望とは
行かないが、140度くらいは見渡せる。富士山、大山、相模湾が遠望でき、多くのハイカーが眺望を楽しんでいた。伐採されたのはアカマツ。ほとんどが枯れたり、弱くなっていたので問題は無いのだが、私個人はこのアカマツの枝が額縁になり、その向こうに見える大山の姿が好きだったので、ちょっと残念な思いがする。

●平成19年11月25日(日)天気:快晴

14:20 高尾山頂下、到着。山頂周辺に一部ではあるが、英語表記の道標が設置されるようになった。ミシュランの三つ星観光地に認定されて以来、ここ3〜4ヶ月は外国人のハイカーが多い。道を間違える外国人も多く、その対応に追われたこともあるので、良かったと思う。出来れば、中国語、ハングル語も併記すれば、国際的観光地としては万全だと思うのだが。


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