高尾山国有林巡視日誌(8)

 林野庁・東京神奈川森林管理署の森林保護員として、高尾山国有林とその周辺の森林パトロールを行っている宮入さんの巡視日誌「その8」です。


平成19年5月3日(木)  天気:晴

8:50 日影沢林道ゲート前広場、出発。日影沢歩道を行く。途中、昆虫を撮影している人がいたので尋ねたら、オジロアシナガゾウムシとの事。いつも植物には目が行くが、昆虫、それもゾウムシには目が行かない。しかし、森は植物、昆虫、野鳥、菌などによって生態系が成り立っている。少しは昆虫も勉強しなければ・・・と、反省させられた。

【写真:オジロアシナガゾウムシ】

平成19年日()  天気:

 高尾山周辺には、約40種類のスミレが生息している、といわれている。一般的に見られるのは15種ほどだ。春一番のアオイスミレに始まり、最後を締めくくるのはコミヤマスミレ。白い地味なスミレだが、葉の葉脈に紫色が入り、なかなか渋い。

【写真:コミヤマスミレ】

●平成19年5月10日(木)天気:晴のち雨

 最近、琵琶滝道にこんな看板が設置された。「ヤマガラを野鳥に戻そう」。元々人間に慣れやすい鳥で、昔縁日などでヤマガラがおみくじを持ってくる大道芸をよく見た。とはいえ、琵琶滝道周辺のヤマガラは、人間に慣れすぎている。手の平にエサを置いて待っていると、すぐにやって来てついばむ。可愛いのでついついやってしまうようだが、
これはやはり正常ではない。気を付けよう。

【写真:立て札】

●平成19年5月17日(木) 天気:雨のち晴

9:
00 八王子城跡入口、出発。雨の中、八王子神社に向かう。1325 富士見台付近(境界標280補6)天候が急変し、雨が止み太陽が顔を出した。急激な温度変化で森の中は霧が発生した。霧の中の木洩れ日は幻想的だった。

写真:雨後の森】

平成19年月2日()  天気:晴

 6月は梅雨のため1ヶ月巡視は休止。その為、少しでも危険木を処理するため南高尾に入る。昨年秋に調査した枯木427のヤマザクラを伐採する。倒した木に絡みついていたテイカカズラに花が咲いていた。少し申し訳ないような気になった。

写真:テイカカズラ】

●平成19年5月31日(木) 天気:曇のち雨

 森林保護員は、一般ハイカーが立ち入らない国有林内に入ることもある。林野庁の林班図に載っている巡視路も、実際には消えていることも多い。そんな状況の巡視の中で、エビネの群落に出会った。信じられない程の大きさ。さすが高尾山の自然は奥が深いと感じた。それと同時に、このエビネの群落が盗掘に会わず、いつまでも無事であることを願った。

【写真:エビネの群落】


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