高尾山国有林巡視日誌(4)

 林野庁・東京神奈川森林管理所の森林保護員として、高尾山国有林とその周辺の森林パトロールを行っている宮入さんの巡視日誌「その4」です。


●平成18年12月11日(月曜日)
  天気:晴時々曇

 高尾山南面での国有林でのヒノキの伐際が始まった。林野庁としても、ここまで観光客、ハイカーが多い場所での伐採は初めて、との事で、安全確保に非常に気を使った。冬場に人気の「稲荷山コース」、「高尾山頂南側」、「もみじ台」を完全封鎖した。当然、ハイカーからは非難ごうごう。対処するのは我々森林保護員。森を健康にするための間伐であることを理解してもらう。意外だったのは、間伐に関してほとんどのハイカーが理解を示してくれた。想定していた「何故、樹を切るの。自然破壊じゃないの。」という言葉はほとんど聞かれなかった。                    【写真:高尾山、伐採】

平成18年12月17日(日曜日)         
   天気:曇のち晴

 伐採した木材のヘリコプターでの集材作業が始まった。高尾山頂から640m先の「大平園地」に往復2分で運搬する。そのパイロットの操縦技術は見ていてもすごいと思える。高尾山頂すぐ側での作業は迫力があり、ハイカー達は興味深めに集まって見ていた。ただ、近過ぎて危険が伴うため、ハイカーの危険防止に注意を払った。 間伐とヘリコプターの運搬について登山者からのクレームはあまり無かったが、「何故、ヘリコプターで運ぶのか」「1本や2本ずつ運ぶのは効率が悪いのではないか」という質問が多かったため、その説明に時間を費やしたが、ほとんどが理解してくれた。そんな中で、「日曜日なのに、なんで作業をするのか、うるさい。」という宴会グループがいたが、丁寧に謝っておいた。                  
【写真:高尾山頂での集材作業】

●平成18年12月18日(月曜日)       天気:晴

今日もヘリコプターによる集材作業。森林保護員4名が、高尾山頂、山頂下トイレ前、もみじ台入口、もみじ台園地に森林保護員が配置し、登山者の対応に当たった。1540 ヘリコプター作業が終了したので、もみじ台から下山の途につく。それまで気がつかなかったが、丹沢の稜線と雲の間に淡いシルエットの富士山が見えた。美しかった。              
【写真:夕景の富士山】

●平成18年12月27日(水曜日)
  天気:快晴

 昨日の雨が一転して、文句のない快晴。020 小仏城山、到着。しかしハイカーの姿が見えない。茶店の人に聞くと、雨の後の日は、こんなものだという。この日の富士山はこの冬一番の素晴らしい眺望だった。最高の富士山独り占め、という感じだった

【小仏城山からの富士山】

●平成18年12月27日(水曜日)      天気:快晴

 1228 大平園地、到着。ヘリによる木材の集積地だが、この日の作業は中止。辺りには、木材運搬作業で剥がれた樹皮が散らばっていて、それが太陽に反射し、不思議な光景を作りだしていた。何だか月面写真を見ているようだった。

【写真:大平園地】

平成18年12月30日(土曜日)         天気:快晴

 例年ならクリスマスには見られるシモバシラ(シモバシラという名の植物が作る霜柱)が今年は暖冬の影響で、なかなか見られなかったが、やっとこの日、もみじ台から小仏城山にかけての北斜面で見ることが出来た。氷のリボンが美しい。その中で、今日一番と思われるシモバシラを写真に収めた。

【写真:シモバシラ】


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