木の日の研修
高尾山国有林巡視日誌
2017年11月2日(木) 林友ビル6階会議室

 高尾山の成り立ちと登山ルートに沿った特徴、様々な樹木、草花の映像をまじえ説明して頂いた。

 高尾山とは標高599m、中生代白亜紀の「四万十層群」により形成される関東山地の東側に位置し、大陸プレートと海洋プレートがぶつかるプレートテクトニクスによりできている。基本的に堆積岩であり、隆起してできた縦の層の割れ目筋から水が浸み込み豊かな植生になっており、北斜面は冷温帯の落葉広葉樹、南斜面は暖温帯の常緑照葉樹林になっている。
 そして、奈良時代に行基によって開かれたとされる高尾山薬王院による信仰の山でもある。

 登山ルートとしてはいくつかあり、1号路・2号路では常緑照葉樹林や落葉広葉樹林の中を歩くことができる。
 1号路は麓から山頂へと続くコース。金毘羅台近くには、黄葉を見て麦の播き時を知るという麦播きイチョウがあり、また薬師堂本堂近くの八十八箇のミニチュア弘法大師像は、それを一回りすれば一日で四国八十八か所巡りと同じ効用があるとか。
 2号路は1号路をはさんで中腹を短時間でぐるっと回れるコース。南には琵琶滝、北には蛇滝が見られる。1号路の浄心門から左は3号路、右は4号路である。
 3号路は南側斜面で常緑照葉樹林になり、眺めは八王子市街が一望できる。
 4号路は落葉広葉樹林で、みやま橋という吊り橋があり、また美人ブナと称されるブナが見られる。
 6号路は渓流沿いの道で、水辺の生物が観察でき、また水行道場の琵琶滝がある。
 稲荷山コースは麓の清滝駅近くから南側へ入る稲荷山尾根道で、コナラ、クリ等の落葉樹の雑木林やカシ等の常緑樹が続く。

 高尾山周辺については、高尾山山頂から西は奥高尾と呼ばれ、一丁平、小仏城山、小仏峠までの尾根では小仏城山が最も高く、相模湖、丹沢山系が一望でき、春の桜、秋のもみじが美しく、さらに西には景信山、陣場山へと続く。高尾山の北麓を流れる小仏川流域は裏高尾。その北側には東西に北高尾山稜がのびており、八王子城跡がある。そして東京都と神奈川県の境を東西に走る南高尾山稜は常緑広葉樹が多い。

 最後にミシュラン三ツ星の影響もあり、年間の登山客が300万人とも言われていること、また、なぜ高尾山域では死臭がしないのかの説明があり、その解は、高尾山にはサル、リス、ウサギ、イノシシ、アナグマ、ハクビシン等様々な動物が暮らしており、動物の死骸はそれらにより、腐る前に跡形もなくなるほどに食べられてしまうからだということであった。

講師:FIT 宮入 芳雄氏
参加人数:30名

 (報告:熊木 秀幸)


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