学名入門
2017年5月17日(水) 東京大学付属小石川植物園


 正門前広場で受付し、全員集まったところで参加者が自己紹介しあってから研修が始まった。講師はFITのメンバーでもある横山茂さんである。

「学名」はすべての生き物につけられたラテン語表記による世界共通の学術公用語である。ラテン語で表記するのは、現在使われていない言語のため変化がなく安定しているからだそうである。
 種の「学名」は、「属名+種形容語(種小名)」で構成され、この表し方を二名法といい、250年ほど前にリンネによって体系化されたもので、現在も使われている。
 そして植物の命名は国際的な命名規約に基づいてなされることなどの総論的な話を聞いた後、講師とともに園内を回った。

 園内の樹木には、名札が付けられ、和名の「種名」と「科名」のほかに、ラテン語の表記がある。このラテン語の表記には「学名」である「属名 種形容語(種小名) 命名者名」がしるされている。
 研修は、園内をまわり、実際の樹木の前で、樹木に取り付けられた名札の「学名」について講師から特徴的な事項の説明を聞き、受講生は葉っぱにふれたり質問したりしながら進められた。

 見てまわった樹木等はおおむね次のとおりである。
ケンポナシ・シナウリノキ・アンズ・スイフヨウ・フクロミモクゲンジ・ソメイヨシノ・ヒゼンマユミ・ウラシマソウ・モチノキ・フジ(長崎一才)・ヤブサンザシ・モチツツジ・マメイヌツゲ・ヒメツゲ・アマチャ・カシワバアジサイ・ヒマラヤウラジロガシ・トウカエデ・アジサイ・ヒトツバタゴ・シロバナヤエウツギ・コウゾ・マオウ・シラカバ・オオバヤシャブシ・ガクアジサイ・ノリウツギ・イワガラミ・ナガバモミジイチゴ・チョウジザクラ・ツゲ・カジカエデ・ガクウツギ・ハンカチノキ・スズカケノキ・ユリノキ・イチョウ・オニグルミ・コーカサスサワグルミ・セイヨウバクチノキ・タラヨウ・アキニレ・ツュンベリーのマツ(クロマツ)・アカマツ・ハナズオウ・エンジュ・エノキ・カツラ・スイショウ・メタセコイア・ハンノキ・アカガシ・シラキ・チドリノキ・クロキ・イヌシデ、和名のない木

気付いたことは
*学名には樹木の特徴をとらえて名づけられているものが多い。
*学名(樹木札)には命名者の名前が付記されている。リンネ(L.)やシーボルト(Sieb.)、牧野(Makino)の名前がついていると歴史を感じる。
*学名には亜種、変種、園芸品種、雑種などがわかるように表示されている。たとえばソメイヨシノは学名を見れば雑種であることがわかるようになっている。
*複雑で長い学名には命名の経緯や歴史が秘められていることがある。

 個人的には小石川植物園にこれまで何度も来ているが、樹木札の和名は見てもラテン語表記の「学名」に注意を払ったことはなかった。植物関係のラテン語の多少の知識は必要になると思うが、「学名」には和名からだけではわからない事柄が表現されていることを知って興味がわいた。「学名」は今まで私には縁遠い存在であったが、講師の丁寧な解説を聞くことで「学名」の世界に少しでも触れることができ親しみを感じた。
 参加者は野外の「学名入門研修」でこれまで知らなかった世界にふれることができて植物を学ぶ新しい楽しみを得ることができた。

講師:横山 茂
幹事:高橋 喜蔵
受講者:12名

 (報告:中垣 成)



ヒゼンマユミを見上げながら学名の説明を聞く


ガクウツギの花を見ながら学名を学ぶ


カツラの学名は、シーボルトとツッカリーニが
共同で付けたことが分かる



シラキの花も間近に観察できた


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