木の日の研修 「鳥を楽しむ」
2014年10月2日(木) 林友ビル6F中会議室


 10月2日に行われた「木の日研修」は32名が参加し開催されました。

 研修のテーマは、「鳥を楽しむ」という事で、元上野動物園園長の小宮輝之先生を講師にお招きして、普段聞けない鳥のお話を楽しく伺いました。特に、“鳥の足跡(足型)”コレクションは600種類を超えるとの事で、足跡から見える鳥の生態は参加者の好奇心をくすぐりました。

 鳥の一番の観察場所は“自宅の庭”が最適である事、何故鳥の足型(足跡)を採集したのか、また、渡りが一旦途絶えた鳥を、外国の研究者と協力をして、渡りを復活させる取り組みをした事、絶滅危惧種になった鳥の繁殖に取り組んできた事。足型から鳥の習性を読み解く事が出来る事、鳥の形態から人間社会で活用されている技術が研究対象(生物物理)になっている事などです。

小宮先生のユ−モアも交えての語り口にあっという間の2時間でした。

 鳥のお話の幾つかを紹介します。
  1.鳥の一番の観察場所は、“自宅の庭”との事。
    集合住宅の1階の庭に数本の木、小さな池(ステンレス製のボ-ルを埋めた物)が、数十年経つと、
    ヒヨドリ、メジロ、シジュウカラ、キジバトなど20種類観察できる。観察や撮影も定点で行う事が
    出来て、楽しい。愛くるしい姿も撮影出来る。
  2.何故、鳥の足型(足跡)を採集したのか。
    動物園勤務時代、何かの事情で死んだ鳥をそのまま処分するのが気になり、足型を残すようになった
    のが、きっかけとの事。足型は鳥の種類によりそれぞれ個性があり、生態に起因しているので興味
    は尽きなかった。気がついたら600種類を超えていた。
  3.絶滅危惧種(特別天然記念物)になった鳥の繁殖に取り組んできた。
    タンチョウズルは現在1,300羽に、トキは130羽に増えている。コウノトリ、アホウドリは順調に回復
    をしてきている。ライチョウは現在取組み中で、数年以内に環境省からの認可(予算)がおりる。
  4.目から“うろこ”のお話
   @コウノトリ、トキは、昔(江戸時代)は東京で日常的に見られた。地名として残っている。コウノ
    トリ(鴻ノ巣)、トキ(赤羽/トキ色の羽根)。
   Aライチョウの羽根が冬白くなるのは、雪に適応したのではなく、日長によるものである。つまり、
    日が短くなると生殖ホルモンとリンクして白くなる。最近は温暖化で、降雪が遅くなり、白くなっ
    たライチョウは天敵に見つかりやすくなっている。
  5.鳥の足跡・足型と習性との関係は、「鳥の足型・足跡ハンドブック」をご覧になって下さい。

 先生は動物園の歴史、動物の話なども詳しいとの事なので、是非、お話が聞ける機会を期待して報告とします。

 (小宮輝之先生の略歴)
   恩賜上野動物園園長 2004年〜2011年
   日本鳥類保護連盟 評議員
   日本野鳥の会 会員
   環境省トキ飼育繁殖専門家会合 座長
 (主な著書)
   鳥あそび(二見書房) 物語上野動物園の歴史(中公新書)
   鳥の足型・足跡ハンドブック(文一総合出版)
   哺乳類の足型・足跡ハンドブック(文一総合出版) など多数

参加者32名

 (報告:24年 長谷川 守)



植生についての解説


聴講風景1


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