木の日の研修
2014年6月5日(木) 林友ビル6F中会議室


 6月5日に行われました木の日研修の報告です。

講師:太田猛彦さん(東京大学名誉教授 専攻森林水文学・砂防工学・森林環境学)
テーマ:「森林飽和−日本の森林の歴史とこれからの森林管理」

「里山」「白砂青松」の実態、江戸から明治までの国土の荒廃の歴史と日本の風土に合った森林のあり方、また災害に対する防災ではなく、減災の視点からこれからの国土保全の展望等についてご講演していただきました。

【講演メモ】
○津波と森林 東日本震災の事例から
○森の歴史と現状・・・現代の森は本当に荒廃しているのか、森林は飽和しているのか?
・かっての森はどんな森だったか
・いつから荒廃したのか
・日本人はどんな森を造ってきたか、里山とは、人工林とは
・荒廃からの回復
○森林飽和の副作用
・現代の森林問題
・深層崩壊
・河川と海岸の環境
・長期的には江戸時代からの治山
・砂防・治水事業の方針転換が必要 →土砂コントロールの必要性、特に海岸浸食が問題、海面上昇との相互作用も心配
・水源涵養機能 →緑のダムの取り扱いの変更、里山の取り扱い方針の変更
○持続可能な社会と森林
・森林・林業基本法成立の意味・・・審議会の主導/国民の圧力、審議会の役割
・森林の原理・・・生態系サービスを先取り
・新しい森林の原理・・・この原理を導く過程で現代資源文明の弱点を発見
・地球環境の現場は地上、地下資源は現地球環境形成の過程で地下に廃棄されるもの →COP20に向けて、低炭素社会推進の根拠を与える日本発の論理として発信すべき ・再生可能エネルギーの意味は現太陽エネルギー
○これからの森林管理
・多面的機能の特徴は機能の限界と認識と総合性
・森林のゾーニングの必要性、林業官庁の限界も見える
・林業会の問題、国産材を利用する意味
・林業振興は林業界の後進性克服が基本、森林管理の費用
・これからの山地保全・海岸防災林再生
・縦割り行政の弊害の典型事例・海岸防災問題
・農と林の差異、森林・自然域の管理 林業、生態系、防災などそれぞれ一面的に見るのではなく、時間・空間ともに大きなスケール、全体的の視野で森を考えることが必要である。

講演についてさらに知りたいという方は、太田さん著「森林飽和」(NHKブックス)をご一読ください。

参加者:FIT30名

 (報告:24年 野坂俊樹 )



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