山笑(やまにこ)会主催
サルギ尾根~御嶽・奥ノ院ハイキング
2019年4月25日(木)

 コース: 大岳鍾乳洞入口~サルギ尾根~上高岩山~鍋割山~奥ノ院~神苑の森~ケーブル御岳山駅


急登の上から神社を振り返る


尾根中に咲く小さなフモトスミレ
 「はい、スミレがお好きな方はこちらへ~!」
と、武蔵五日市駅前で、早速植込みの中のヒメスミレを観察。上養沢行きはミニバス路線だが、西東京バスさんが大型バスの増便を出して下さり、貸切状態で悠々と遠足気分で出発。

 登山口の養澤神社では、天高く舞い上がる双龍のお出迎えに目を奪われていると、目利きの常連さんの、
「これ、何ですか~?」
「あっ、これは若しかして…」
との声。駆け寄ると、ラショウモンカズラ、そしてニオイタチツボスミレと出発前から想定外の嬉しい花々登場に湧く。

 開会式にトイレ拝借とお世話になった神社に掌を合わせ、社殿右裏手に仰ぎ見える急斜面を、両手両足をフルに用いて一歩一歩慎重にクリアして登る。道は整備され途中に手すりも設置されており、急登とはいえ注意さえ怠らなければ安全な道だ。いつもより歩行時間を短く15分に一度の給水休憩に設定した。足元の良い地点でふり返ると足元遠くに社殿が見え、自ら汗かき高さを稼いだ充足感を得られる。

 約30分程でやや緩やかな斜面となり、可愛らしいフモトスミレやチゴユリの群生に微笑み覗き込む余裕も生まれた。これほど全山に溢れるフモトスミレの花を見たのは初めてだった。葉の形や斑入り、花の表情の変化など、幾ら見ていても飽きない白い小さな魅力的なスミレだ。

 登りと緩やかなタルミがいい按配に現れ休息するに都合が良い。左右に今まで山笑(やまにこ)会で歩いて来た、馬頭刈尾根・金毘羅尾根の山々が見え懐かしい。やがて知らなければ通り過ぎてしまいそうなイワウチワ群生地に到着。目が慣れて来ると、あそこにもここにもと数え切れない程のイワウチワが見えて来て、白から濃い目のピンクまでの花色の変化の妙、並んで風に揺れる花々の風情に心を奪われる。但し、この地点は全員が撮影するには狭すぎるので、眺めるだけに留め、他の安全な地点で十分に時間を取り楽しんで頂いた。

 11:30の早めの昼食は大きな東屋のある展望台。残念ながら一面真っ白なガスに包まれてしまい展望は利かなかったが、まるで高山にでも来たような趣が楽しめた。目の前に聳える大岳山の雄姿と一面に広がる雄大な景色をご覧いただきたかった。 

 大岳山ハイクでお馴染みの芥場峠・中沢ノ頭を通過し鍋割山へ向かうと、左右にカタクリの花が無数に広がっており、さながら森の中の楽園のよう。ふり返ると、先程歩いて来たサルギ尾根の山々が連なって見え、良くぞ登って来たものとお互いを褒め合った。

 鍋割山で本日の最高地点1,084mを確認、一度下って、いよいよ目的の奥ノ院への最後の登りだ。ゴロゴロした大岩の間を抜けると思いがけず唐突に石祠の後ろに出る。御岳山からの登りの長さを考えると拍子抜けしてしまう程だ。1,077mの奥ノ院山頂からの展望はほぼ大岳方面しか開けていないが、御岳山が奥ノ院の遥拝所とされるように、こちらは大岳を遥拝する為の山にも思える。手を高く広げ天を仰いで叫ぶかのように見える奇妙な木の存在も印象的だ。

 奥ノ院周りのシロヤシオの早咲きを期待していたのだが、残念ながら今年の開花は平年並みの5月、もしくは今年は花が少ないのかもしれない。シロヤシオと展望台からの眺めは、来年のお楽しみと相成った。
「それもまたよし!」
「何もかも見られてしまったら、次の楽しみがないじゃない」
と、お客様からの励ましをいただき、有難さに頭を垂れるばかり。

 奥の院山頂下の日本武尊を祀る奥社にお参り、またしても広がる斜面のカタクリの群生を安全な場所で楽しみ、続いてお妃の弟橘姫を祀る塚にもお参りし、無事に奥ノ院(男具那の峰、甲羅山)を下山、天狗の腰掛杉へと向かう。「神苑の森」の道でもカタクリ、ミヤマシキミ、ナガバのスミレサイシン、エイザンスミレ、最後のヒナスミレの一輪などにも出会えて、鳥居下に到着。ポンといきなり里へ出た気分だが、お楽しみはまだ続く。

 参道を抜け神代欅の下を潜り、左手の石垣の上ではニリンソウ、アズマイチゲ、トリカブト、ヤマエンゴサク、ミヤマキケマン、小さなアマナのようなマッチ棒の先程の花をつけるヒメニラ等にも目を留め、嬉しく咲き残っていてくれた桜の花々とその向こうに広がる芽吹きの山の様々な緑の色合いの妙に日本の山の美しさを思う。そして最後に、今登って来た奥ノ院の端正な山容を仰ぎ、
「良く登った、歩いた、頑張った~!」
と感慨に耽り、今日の佳き日と健康に感謝して再び掌を合わせた。

 ケーブル、バスと乗継ぎ、御嶽駅前にやれやれと全員無事に降り立つと、
「今日はお蕎麦と一杯、行かないのですか?」
「汗をいっぱいかいたから、ビール飲みたいなぁ」
とのお客さまからの呼びかけあり、十数人で意気揚々と玉川屋へ♪ お客様同士の顔なじみも増え、和やかというか賑やかな打上げとなった。

「山登りも観察会も楽しいけれど、皆さんとの会話が楽しい。」
山笑(やまにこ)会も、そんな常連さんが増えてくださり嬉しい限りである。(おわり)

 一般参加者: 26名(応募32名)
 FITスタッフ: (班長)稲葉・槙田、(安全サポート)小野梨香、廣川(幹事・班長・報告)




守りたいイワウチワの群生


保護され一面に咲くカタクリ


奥ノ院山頂・1班の集合写真

登頂して来た奥ノ院を遥かに仰ぐ



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