高尾森林ふれあい推進センター協定イベント・森林インストラクター東京会実施
秋の花を探そう・裏高尾さわやかハイキング
2017年9月15日(金)

コース: 日影バス停〜日影沢林道〜逆沢作業道(誤通称・郵便道)〜もみじ台(昼食)〜六差路へ戻り北側の道(シモバシラの道)〜お花道〜富士見台園地〜山頂下トイレ〜富士道〜薬王院〜女坂〜霞台園地(ふり返り)〜ケーブル高尾山駅

  タイトル通りの「秋のさわやか」な天候の下、次々と参集のお客様にはリピーターの方も多く、毎年楽しみにしていてくださって嬉しい限りです。

  高尾発のバスは2台に増便でもぎっしりで、いよいよハイシーズンの到来。 日影沢に入るとひんやりと秋の冷気が肌に沁み、桂の落葉がみたらし団子のような甘辛の香りを放っていました。

  桂広場での開会式では、伊藤幹事によるストックの使い方指導が行われ、どこか使いこなせていない不安感をお持ちなのか、多くの方が身を乗り出し聞き入ってらっしゃいました。 身を助ける筈の装備が却って危険を招くことの無きよう、折に触れこうした技術的指導も必要と思います。


妖精のようなタニタデの花


薄紫の蕊が美しいシモバシラ
(撮影:廣川)
  日影沢沿いの道では、次々と姿を見せる可憐な花々に目を奪われ、どこの班も立ち止まり話に熱がこもります。 秋の花々は小さなものが多いので、身を屈めゆっくり丁寧に観察したいもの。 ここでの時間は余裕をもって設定してありました。 ノブキの外側の筒状花だけが結実していく様子、ヌスビトハギとフジカンゾウの違い、きっちり別れたシュウブンソウの枝ぶり、タマアジサイの玉蕾がほどけていく様子、ツリフネソウとキツリフネの花形や花の付き方の違い、マツカゼソウやレモンエゴマの香り、等々たっぷりと楽しんで頂けました。

  逆沢作業道(これまで郵便道と誤称されていた)の登り口でキバナアキギリの群落をみつけ、小さな妖精のようなタニタデの花に驚き、ムカゴイラクサの雌花・雄花・ムカゴの三拍子そろった奇妙な姿に興味津々、そこかしこに健気に咲くヤマホトトギスに癒され、ややきつい坂も予め30分ちょっとの登りとお伝えし途中で休憩もとりましたので、息も切れず谷から登る風や景色なども楽しみながら過ごすことが出来たと思います。

  紅葉台からは富士山は見えなかったものの、手前の山々がくっきりと望め、ススキ越しに仰ぎ見る澄んだ空にはウスバキトンボが群れ飛んでいました。 陽だまりのベンチは日差し眩しく女性陣は背炙り状態となり、風景よりもオニドコロやムラサキシキブの実に幼き記憶を甦らせつつランチタイム。 またWC間の往復では三種のアザミ、野菊の見分け方の復習も熱心にされていました。

  紅葉台から六差路へ戻り北側の道を行くと、シモバシラが、白く透ける花弁から薄紫色の蕊を覗かせ穂を伸ばし出しており、冬の「氷の華」にも負けず、暗がりの森の中本物の「霜柱」の如く光を集めて咲いていました。 咲き始めの一番美しい姿に出会えて感激、うっとりでした。

  その上にはイヌショウマが更に細く長い白い穂に淡い紅をさして思い思いに伸びあがり、足元にはキバナアキギリが賑やかに勢揃い、カノツメソウがレースのような白い花を揺らし、暗がりの北道が花の回廊となっていました。

  ちょっと寄道してツリガネニンジンの花と果実のシャンデリアを見た後、お花道へ。 二日前の下見で確かに見たはずのツルリンドウの花がどうしても見つからず一体どこに隠れてしまったのか・・・盗まれていないことを願うばかり。

  お花道は、大分ススキが茂って花が少なく心配しましたが、ツルニンジン(ジイソブ)の丸い蕾や大人の風情の花、オオバウマノスズクサ、コブシ、ガマズミ、ウメモドキ、アオツヅラフジ、サルトリイバラなどの果実、ノダケのチョコレート色の花、ウドの連続花火やウラジロの葉の様子・めでたさの縁起等々の観察は出来てホッとしました。

  花以外にも、コガタコガネグモのX型の隠れ帯の造化の巧みさ、アサギマダラの優雅な姿、オオバウマノスズクサの葉裏でジャコウアゲハの幼虫を発見・・・と、昆虫をみると何故か童心に戻れますね。

  なかなか普通は通らない道を巡るので、高尾に来たことがある人にとっても新鮮な発見が多いコース。 見過ごしてしまうような小さく控えめながらも魅力的な観察対象の種類の多さをお客様に喜んで頂け、私たちインストラクターにとってもやりがいのあるハイキング・コースです。

 一般参加者: 52名
 スタッフの役割と名前:
  [幹事]…伊藤謙  [安全]…加藤健  [班長]…永井、小日向、臼井、長谷川守、望月、小川和、廣川(報告)


* 森林ふれあい推進事業「協定イベント」とは、林野庁関東森林管理局長と協定を締結した団体の主催するイベントのことで、自然豊かな高尾山で楽しく自然とふれあうことを主な目的にしています。 平成29年度の協定団体については森林インストラクター東京会(FIT)をはじめ5団体が登録されています。
  『森林ふれあい推進事業』の年間計画などについては関東森林管理局の該当ページを参照してください。





熱心に話を聞いて観察 (撮影:伊藤)


注意!蜂もジイソブが好き
(撮影:廣川)

タイアザミにアサギマダラ
(撮影:伊藤氏友人)

控えめな美少女ツルギキョウ
(撮影:廣川)



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